同じ家にいるのがつらい。顔を合わせるたびに息が浅くなって、玄関の音がしただけで体がこわばる。
離れたい、と思う。けれど、そこから先へ進めません。生活費はどうするのか、子供の学校はどうするのか、そもそも自分に出ていく権利があるのか。考えはじめると、結局きょうも同じ家で寝ることになります。
別居したいと思うこと自体は、責められるものではありません。ただ、決めないまま家を出ると、あとで不利になることがあります。逆に、決めてから出れば、そのほとんどは防げます。
この記事では、別居に踏み切る前に決めておくことを5つに絞って書きます。お金、住民票、子供、伝え方、期間の5つです。法律で決まっている部分は条文を、金額の目安は裁判所が出している資料を根拠にします。
別居したいと思う時点で、夫婦に何が起きているか
妻別居したいと思ってしまう自分が、薄情なんじゃないかって…



薄情ではありません。その気持ちが出てくるまでには、たいてい順番があります。まず、そこを整理しましょう。
別居したいと思うのは、我慢が足りないからではない
離れたいと口にすると、周りは決まって同じことを言います。「もう少し話し合ってみたら」「子供のことを考えたら」。
そう言われる側は、すでに何年も話し合おうとしてきています。話し合いにならなかったから、いまの状態があります。離れたいという気持ちは、努力の手前ではなく、努力の後に出てくるものです。
ここを取り違えると、自分を責める方向にしか進みません。まだ足りない、まだ我慢できるはず、と考えて、決める時期をどんどん後ろにずらしてしまいます。
離れたい気持ちが出てくるまでの順番
多くの場合、次の順番で進みます。
| 段階 | そのとき起きていること |
|---|---|
| 1 伝える | 不満や困っていることを言葉にして相手に伝える |
| 2 通じない | はぐらかされる、怒られる、その場だけ直る |
| 3 言わなくなる | 言っても変わらないと分かって、伝えるのをやめる |
| 4 期待をやめる | 相手に何かを求めること自体をやめる |
| 5 離れたくなる | 同じ空間にいること自体が負担になる |
3から4のあいだで、外から見た夫婦は静かになります。喧嘩が減るので、周りには「落ち着いた」と映ります。本人のなかでは、いちばん進んでいる時期です。



言い争いはもうありません。それを親に話したら、うまくいってるじゃないと言われました…



争わなくなったのは、直ったからではなく、伝えるのをやめたからですね。そこは、ご自分だけが分かっていれば十分です。
別居したいのに言い出せない理由
言い出せない理由は、だいたい次の4つに分かれます。
| 止まる理由 | 実際に迷っている中身 |
|---|---|
| お金 | 自分の収入で家賃と生活費を払えるか分からない |
| 子供 | 転校させることになるのか、父親と会わせるのか |
| 相手の反応 | 怒鳴られるのが怖い、出ていかせてもらえない気がする |
| 戻れなくなること | 一度出たら、やり直す道がなくなる気がする |
この4つは、同時に考えると答えが出ません。お金と子供は調べれば分かることで、相手の反応と戻れるかどうかは、やってみないと分からないことです。性質が違うものを一緒に悩むから、いつまでも決まりません。
先に決められるのは前の2つです。この記事もそこから書きます。
別居する前に決めておく生活の見通し



私が家を出たら、生活費はもらえなくなりますよね…?



いいえ、そこは逆です。別居しても、夫婦である間は生活費を分け合う義務が残ります。法律に書かれています。
別居しても、夫の生活費の負担は消えない
民法760条は、こう定めています。
夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。
「婚姻から生ずる費用」を婚姻費用と呼びます。家賃、食費、光熱費、子供の学費や医療費といった、その家族が普通に暮らすための費用です。
条文には「同居している間は」とは書かれていません。離婚が成立するまでは夫婦なので、別居していても分担の義務は続きます。収入の多いほうが少ないほうに渡す形になります。
ここを知らないまま出ていって、渡された分だけで暮らそうとして生活が行き詰まる方がいます。請求できるものだと分かっていれば、家を出る判断そのものが変わります。
別居中の婚姻費用は、いくらが目安になるか
金額の相場は、裁判所のウェブサイトで公開されている算定表で確かめられます。平成30年度の司法研究をもとに作られたもので、婚姻費用については夫婦だけの場合と、子供の人数と年齢に応じて、表10から表19までに分かれています。
表の読み方は決まっています。縦軸が支払う側の年収、横軸が受け取る側の年収です。給与所得者なら、源泉徴収票の「支払金額」がその年収に当たります。控除される前の金額です。
裁判所の説明書には、婚姻費用の使用例が載っています。受け取る側の支払金額が243万3452円、渡す側の支払金額が739万4958円で、子供がいない夫婦の場合。この例では、標準的な婚姻費用は月8万円から10万円の枠内になると書かれています。
もうひとつ、間違えやすい点があります。児童扶養手当や児童手当は、子供のための社会保障の給付なので、受け取る側の年収には入れません。ここを足してしまうと、金額が実際より低く出ます。



私はパートなので、年収の欄がどこになるのか自信がなくて…



去年の源泉徴収票を出してみてください。「支払金額」の欄です。夫の分も、家に届いていれば同じように見られます。両方の数字が分かれば、表の交わるところを見るだけです。
別居の生活費は、請求した時期から数えられる
ここが、家を出るときにいちばん損をしやすいところです。
婚姻費用は、家庭裁判所での実務上、請求した時点から先の分について認められる扱いが一般的です。話し合いがつかずに調停を申し立てた場合なら、申し立てた月から数えられることが多くなります。
つまり、半年間だまって耐えてから請求しても、その半年分がさかのぼって戻ってくるとは限りません。言い出しにくいからと先延ばしにするほど、受け取れない期間が積み上がります。
家を出たら、まず生活費について文書で請求してください。文面が整っていなくてもかまいません。いつ請求したかが残る形にしておくことが大切です。送った記録が残る方法を選んでください。
家を借りるときに最初にかかるお金
毎月の家賃だけを見て決める方が多いのですが、詰まるのは最初の支払いのほうです。
賃貸を借りるときは、敷金、礼金、仲介手数料、前払いの家賃、火災保険料、鍵の交換代がまとめてかかります。合わせて家賃の4か月分から6か月分になるのが普通です。家賃7万円の部屋なら、入るだけで30万円前後が要ります。
ここに、家電と家具の代金が乗ります。冷蔵庫、洗濯機、寝具、カーテン。最低限でそろえても、10万円台の後半は見ておいてください。
つまり、手元に50万円ほどないと、賃貸から始めるのは苦しくなります。
そこまで用意できない場合は、実家や公的な住まいを先に当たるほうが現実的です。市区町村によっては、母子家庭が入りやすい住宅の制度もあります。窓口で先に聞いておいてください。
健康保険と年金は、どちらの扱いになるか
夫の勤め先の健康保険に扶養で入っている場合、離れて暮らしても、離婚が成立するまでは扶養から外れません。保険証もそのまま使えます。
ただし、夫が勤め先に届け出て扶養から外してしまうことがあります。そうなると保険証が使えなくなるので、病院にかかる前に気づけません。子供が急に熱を出したときに窓口で分かる、という形になります。
心配なら、市区町村の窓口でご自身の国民健康保険に切り替えられます。年金も同じで、扶養から外れれば自分で国民年金を納める形になります。保険証が使えなくなる日は、こちらには知らされません。家を出たあと、月に一度は使えるかどうかを確かめておいてください。
別居したら住民票を移すかどうかの判断
住民基本台帳法22条は、転入をした日から14日以内に届け出るよう定めています。同法52条2項では、正当な理由がなく届出をしない場合、5万円以下の過料と書かれています。
ですから、原則は移すほうです。移さないままだと、次のようなところで困ります。
| 住民票を移さないと困ること | 中身 |
|---|---|
| 子供の転校 | 就学の手続きで住所の確認を求められる |
| 児童手当 | 受け取る人の変更手続きが進めにくい |
| 届く書類 | 健康診断の案内や税の通知が前の住所に届く |
| 本人確認 | 賃貸契約や口座の手続きで住所が合わない |
ただし、例外があります。相手からの暴力や、つきまとわれる恐れがある場合です。住民票を移すと、そこから住所を知られる形になりかねません。
その場合は、移す前に市区町村の窓口へ相談してください。住所を第三者に見せないようにする支援の仕組みがあります。相談してから移すのと、移してから相談するのとでは、結果が変わります。順番を逆にしないでください。
別居に子供を連れていくかどうか
子供がいる場合、これがいちばん重い判断になります。
実際に子供の世話をしてきた側が、そのまま連れて出るのが一般的です。ふだん食事を作り、送り迎えをし、病院に連れていってきた人がどちらか。そこが判断の中心になります。
気をつけたいのは、置いていく形にした場合です。あとで子供と一緒に暮らしたいと考えても、離れていた期間は事実として残ります。短い期間だけ預けるつもりでも、その期間が長引くと、いまの暮らしを続けるほうが子供にとって良いという見方に傾きます。
連れて出るなら、学校と学童には先に事情を伝えておいてください。相手が学校へ迎えに来た場合の扱いを決めておかないと、現場で困るのは先生です。



子供を連れて出たら、連れ去りだと言われませんか…?



ふだん世話をしてきた親が子供と一緒に移るのと、無理やり連れ出すのとは別のことです。ただ、相手がそう言ってくる場面は実際にあります。だからこそ、日ごろの世話の記録を残しておいてください。
別居する前に、家から持ち出しておく書類
出てしまうと、家の中の書類には手が届かなくなります。鍵を替えられることもあります。
| 持ち出すもの | あとで何に使うか |
|---|---|
| 自分と子供の健康保険証 | 病院にかかるときにすぐ要る |
| 母子健康手帳、通帳、印鑑 | 手続き全般で提出を求められる |
| 夫の源泉徴収票の写し | 婚姻費用の金額を出すときに使う |
| 預金通帳の写し、保険の証券 | 財産分与の話をするときの資料になる |
| 不動産の権利に関する書類の写し | 家をどうするかを決めるときに使う |
原本を持ち出せないものは、撮っておくだけでも足ります。数字が読める状態で残っていれば、あとから取り寄せる手がかりになります。
置き場所が分からない書類もあると思います。そのときは、郵便物の差出人を控えておいてください。保険会社、証券会社、銀行、ローンを組んでいる先。社名が分かれば、あとから取り寄せる先が分かります。
別居したい理由を相手に伝えるかどうか
黙って出ていくと、あとで何を言われるか
民法770条1項は、離婚の訴えを起こせる場合を並べています。その2号が「配偶者から悪意で遺棄されたとき」です。
正当な理由がないのに家を出て、生活費も渡さず、戻る気もない。そういう形が続くと、この2号にあたると主張されることがあります。出ていったこと自体が問題なのではなく、理由がなかったことにされるのが問題です。
ですから、理由は残してください。相手に面と向かって言えないなら、書面で置いていくだけでもかまいません。伝わったかどうかより、伝えたことが残るかどうかです。
言われやすいことと、それに対して何を残しておけばよいかを並べておきます。
| あとで言われること | 残しておくもの |
|---|---|
| 勝手に出ていった | 理由を書いて渡した文書と、その日付 |
| 何も言わずに子供を連れ出した | ふだんの世話の記録、学校へ伝えた日 |
| 生活費は渡していた | 振り込みの記録、渡された金額と日付 |
| 戻ってこいと言ったのに戻らない | そのやり取りと、こちらが返した内容 |
別居したいと伝えるときの書き方
長く書く必要はありません。次の3つが入っていれば足ります。
- いつから離れて暮らすか
- なぜそうするのか。起きたことを一つか二つ、事実で書く
- 生活費について、いつまでにどうしてほしいか
気持ちを長々と書くと、そこだけを取り上げて言い返されます。感情の部分は削って、起きた出来事だけを書いてください。日付が入っていると強くなります。



面と向かって言う自信がありません。手紙でも大丈夫ですか?



大丈夫です。むしろ、そのほうが残ります。書いたものは写真に撮ってから置いていってください。手元にも同じ内容が残ります。
別居の理由が夫の浮気である場合は、順番が変わる
離れたい理由が、夫の浮気にある場合。ここだけは、伝える順番が逆になります。
先に「浮気しているでしょう」と伝えると、相手は必ず隠します。連絡の取り方を変え、会う場所を変え、車の使い方を変えます。疑っていると知らせた時点で、夫の浮気を確かめる手立てはほとんど残りません。
そして、別居してからでは、夫の行動を確かめるのはさらに難しくなります。同じ家にいれば分かった帰宅の時間も、洗濯物も、車の走行距離も、離れた時点で見えなくなるからです。
浮気が理由で離れたいなら、家を出る前に確かめておくほうが、あとの話し合いが早く終わります。慰謝料を求めるかどうかを、そのときになってから決められるからです。



もう先に問いただしてしまいました。それから、帰りが読めなくなって…



よくある形です。それでも、夫の行動そのものが止まることは多くありません。時間が経てば戻ってきます。いま焦ってご自分で追いかけるほうが、かえって遠回りになります。
別居してから戻った夫婦と、戻らなかった夫婦
別居して戻る夫婦に共通していること
離れてから元に戻る夫婦には、共通点があります。離れる前に、何が嫌なのかを相手が理解していることです。
理由を分かったうえで離れると、相手はそこを直す方向に動けます。何が悪かったのか分からないまま置いていかれた人は、直しようがないので、こちらを責める方向にしか動きません。
戻ることを少しでも考えているなら、理由を伝えてから離れてください。伝えるかどうかは、戻れるかどうかに直結します。
別居のまま戻らなかった夫婦の形
戻らなかった夫婦のほうは、離れてから生活が回ってしまった形が多くなります。
子供の生活も落ち着き、仕事も続き、朝が静かに始まる。一緒にいた頃より暮らしやすいと気づいてしまうと、戻る理由がなくなります。相手が悪いことをしたからではなく、生活が成り立ったから戻らない、という形です。
これは、離れてみないと分かりません。だから、離れる前に結論を出そうとしなくてかまいません。
離れているあいだの連絡の取り方
離れたあとに気持ちが乱れる原因は、たいてい連絡です。
返事をしないと責められ、返事をすれば長く続く。夜中に届いた一通で眠れなくなる。この状態が続くと、生活を立て直すどころではなくなります。
先に決めておくと楽になります。返すのは生活費と子供のことだけにする、返すのは一日一回だけにする、電話は取らずに文字でやり取りする。決めたことは相手にも伝えてください。伝えておけば、返さないことが無視ではなくなります。
やり取りは消さずに残しておいてください。生活費を渡さないと言われた、戻れと迫られた。そうしたことが、あとで話し合う材料になります。
別居の期間を先に決めておくかどうか
期間を決めておくかどうかは、目的によって答えが変わります。
| 離れる目的 | 期間の決め方 |
|---|---|
| 頭を冷やして考えたい | 3か月など、区切りを決めておくほうがいい |
| 相手に考えてほしい | 期限を伝えたうえで離れる |
| 離婚に向けて進みたい | 期間は決めず、生活を先に立て直す |
| 身の安全を確保したい | 期間は考えない。戻る前提を置かない |
ここを決めずに出ると、相手から「いつ帰るのか」と聞かれるたびに気持ちが揺れます。自分のなかだけでも、決めておいてください。



離れたいのは確かなんです。でも、その先をどうしたいのかが言えなくて…



それで構いません。離れることと、離婚することは別です。決められないうちは、決めなくていいことと、いま決めるべきことを分けておきましょう。
別居したい気持ちが強いときほど、急がない
今日決めなくていい理由
いますぐ出たい、と思う日があります。その日に出ると、たいてい何も持たずに出ることになります。
書類も、写真も、夫の収入が分かるものも、家の中に置いたままになります。荷物は取りに戻れますが、書類は戻れないことがあります。
1週間だけ待ってください。その間にやることは、前に書いた書類をそろえること、婚姻費用の目安を出すこと、行き先を決めることの3つです。ここまでやってから出るのと、感情のまま出るのとでは、その後が変わります。
実家に戻る場合に、先に確かめておくこと
行き先を実家にする方は多いのですが、そこで揉めることもあります。
親が夫の味方をすることがあるからです。世間体を気にして「早く帰りなさい」と言われる、孫の前で夫をかばわれる。そうなると、家にいたときより気持ちがすり減ります。
ですから、帰る前に3つだけ確かめてください。いつまで置いてもらえるのか、生活費をいくら入れるのか、夫から連絡が来たときにどう答えてもらうのか。この3つを先に決めておくと、あとで揉める場面がほとんどなくなります。
待ってはいけない場合もある
ただし、例外があります。
手を上げられている、物を壊される、子供に向かうことがある。こうした状態なら、準備より先に離れてください。身の安全が先です。書類はあとから取り寄せられます。
行き先が思いつかない場合は、お住まいの都道府県にある配偶者暴力相談支援センターか、市区町村の窓口に相談してください。夜間や休日でも、まず電話で相談できる先が用意されています。
別居の前に決めておく5つを、もう一度
| 決めること | やっておく中身 |
|---|---|
| 1 お金 | 算定表で婚姻費用の目安を出し、出たらすぐ文書で請求する |
| 2 住民票 | 原則は移す。危険がある場合は移す前に窓口へ相談する |
| 3 子供 | 連れて出るかを決め、学校と学童に先に伝えておく |
| 4 伝え方 | 理由を残す。夫の浮気が理由なら、確かめてから伝える |
| 5 期間 | 目的に合わせて、自分のなかで区切りを決めておく |
別居したいことでよくある質問
別居したいと言ったら、出ていけと言われました。従っていいですか?
その場で家を出る必要はありません。言われたことと、生活費の話は別だからです。
出ていけと言われた事実は、日付とあわせて残しておいてください。あとで「勝手に出ていった」と言われたときに、そうではないと示せます。
別居したいのに、夫が家を出てくれません。どうすればいいですか?
夫を追い出すのは簡単ではありません。持ち家でも賃貸でも、夫にもそこに住む立場があるからです。
現実には、こちらが出るほうが早く進みます。出たうえで生活費を請求する形なら、収入が少ない側でも生活は組み立てられます。
別居中に働き始めたら、生活費は減らされますか?
算定表は双方の年収で見るので、こちらの収入が増えれば、渡す側の負担額は下がる向きに働きます。
ただし、働かないほうが得になるわけではありません。離婚まで進んだ場合、自分の収入があるかどうかで、その後の暮らしの安定がまったく変わります。
別居したことは、離婚するときに不利になりますか?
理由があって離れたのなら、不利にはなりません。不利になるのは、理由が分からないまま出て、生活費も渡さず、戻る気もない側です。
ですから、繰り返しになりますが、離れる理由を残す形にしてください。それだけで扱いが変わります。
別居してから、どれくらいで離婚できますか?
話し合いで離婚が成立するなら、離れていた長さは関係ありません。二人が合意すれば、その日に届を出せます。
長さが問題になるのは、相手が離婚に応じない場合です。民法770条1項4号は「婚姻を継続し難い重大な事由」があるときに離婚の訴えを起こせると定めていて、どれだけの期間を別々に暮らしてきたかは、その判断で見られる事情のひとつになります。何年でよいという決まりはなく、事情によって変わります。
ですから、いつから離れているかを示せるようにしておいてください。転居した日、賃貸の契約日、住民票を移した日。この3つがそろっていれば足ります。
別居したいことを、子供にはどう話せばいいですか?
夫を悪く言わずに、生活がどう変わるかだけを伝えてください。
どこに住むのか、学校は変わるのか、父親とは会えるのか。子供が知りたいのはそこです。
まだ決まっていないことは、決まっていないと言ってかまいません。分からないまま置かれるより、そのほうが子供は落ち着きます。
別居は、決めてから出れば怖くない
離れたいという気持ちは、我慢が足りないから出てくるものではありません。伝えて、通じなくて、期待するのをやめた先に出てきます。
そのうえで、決めずに出ると損をします。生活費は請求した時期から数えられ、住民票は14日以内に届け出る決まりがあり、家の中の書類は出たあとでは取れません。逆に言えば、この3つを押さえておけば、大きく崩れることはありません。
離れたい理由が夫の浮気にあるなら、順番だけ気をつけてください。問いただすのも、家を出るのも、確かめたあとのほうが選べる道が多くなります。
そして、いつ出るかを今日決めなくてかまいません。決めるのは日付ではなく、順番です。生活費の目安を出して、書類をそろえて、行き先を確かめる。そこまで進んだところで、出る日は自然に決まります。
いま同じ家にいるのがつらいのなら、その気持ちを疑わなくて大丈夫です。疑わずに、手順のほうだけ整えてください。
あわせて読みたい記事
- 別居で実家に帰る前に決めておくこと。期間と生活の見通し
- 浮気を自分で調べようとして失敗する3つのこと
- 浮気調査の費用は調査日数で決まる。日数を減らす準備のしかた
- 夫が嫌いになった妻へ。嫌いになる前に何が起きていたのか
- 旦那が家出した。ほっとくべきか、探すべきかの判断
出典:e-Gov法令検索(民法、住民基本台帳法)、裁判所「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)」の算定表および説明書。この記事は一般的な説明であり、個別の事案についての判断は弁護士に確認してください。



コメント